ピラティスをするときの腹圧のかけ方で
まずは「肩を上げずにお腹を凹ませること」からお伝えすることがあります。
ここで重要なのは、「お腹を凹ませる」という動作の目的です。
見た目だけを変えることと、身体機能を高めることは一致しません。
「形」と「質」は別のもの
お腹を凹ませるという動きは、大きく2つに分けられます。
- 形(見た目):お腹が薄くなる状態
- 質(機能) :深層筋が働き、体幹が安定する状態
この2つは同時に起こる場合もありますが、必ずしも一致しません。
ドローインの定義
ドローインとは、腹部を内側へ引き込むことで、
腹横筋(transversus abdominis)を中心とした深層筋群を活動させる方法です。
腹横筋は、腹腔を取り囲むように存在し、腹圧の調整や脊柱の安定に関与します。
よくある間違い
お腹を凹ませようとしたときに、以下の状態が起こることがあります。
- 表面の筋肉を強く固める
- 呼吸が止まる
- 肩や胸に力が入る
特に注意すべきは、
腹直筋(いわゆるシックスパック)を優位に使ってしまうことです。
腹直筋は主に体幹の屈曲に関与する筋であり、
腹圧の精密な調整を担う筋ではありません。
ドローインの本質(ピラティスの視点)
ドローインの目的は、お腹を凹ませること」ではなく、
体幹の内圧(腹腔内圧)を適切にコントロールすることです。
このとき重要になるのが、以下の連動です。
- 腹横筋
- 骨盤底筋群
- 横隔膜
- 多裂筋
これらは「インナーユニット」と呼ばれ、協調して働くことで体幹の安定性を生み出します。
なぜ「凹ませるだけ」では不十分なのか
単にお腹を凹ませるだけでは、以下の機能は保証されません。
- 腹圧の維持
- 脊柱の安定
- 動作時の衝撃吸収
腹横筋が適切に働かない場合、
腰椎への負担が増加することが報告されています。
ドローインにおいて重要なのは
- お腹を凹ませること自体が目的ではない
- 腹横筋を中心とした深層筋の活動が本質
- 骨盤底筋や横隔膜との連動が不可欠
- 見た目ではなく「機能」を評価する必要がある
ピラティスにおけるドローインは、
単なる腹部の引き締めではなく、身体機能の基盤を整える手段です。
見た目の変化ではなく、
「どの筋が、どのように働いているか」という視点で取り組むことが重要です。

